「フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義」の感想
コロナ禍でデリバリーサービスが一気に普及しましたよね。
私がフードテックと言われて、思い浮かぶものはこれぐらいのことでした…
本書を読むまでは、です。
本書を読み、世界で進んでいる「食」×「テクノロジー」のことを幅広く知ることができました。
また、フードテックに取り組んでいる方の多くは、人間や動物の「幸福」を実現するために活動されています。「○○」×「テクノロジー」は効率性を追いかけるだけではないのか、という驚きがありました。
そして、本書の最後の章の「自分ゴト化して働ける食産業」の項目に次のような文章がありました。
食づくりの民主化が始まろうとしているが、それは誰もが料理を作れるということではなく、「誰もが自分が欲しいと思う食体験をつくることができる」ということなのだ。
これは自分にとても刺さりました
「食体験」とすると少し話が大きいので、「普段の食のこだわり」に個人的に解釈してみると、
自分が持っている食のこだわりをフードテックで実現し、それを多くの人と共有することが可能になっている
ということだと考えました。
「食べること」は生きることの土台です。その土台を理想の形にでき、かつ同じ価値観を持つ人とつながることができるのはとても素敵だと思いませんか。
本書にはフードテックの全体像を俯瞰できるフード・イノベーション・マップ2.0が付録されており、フードテック企業・新サービスも多く記載されています。
これらは、自分の食のこだわり・価値観を実現する手段を考える際の参考にすることや、食体験やこだわりを思い浮かべにくい方がイメージを広げることにとても役に立つと思います。
本書中で著者は、日本はフードテックの分野で行動しなくてはいけない、と強いメッセージを発しています。
その行動の際の羅針盤になる、そんな本だと感じました。